こんにちは!!
九段下にあります加部歯科医院の伊藤です😁
今回は、根管治療がうまくいった時の生体の反応についてお話ししたいと思います。
根管、つまり歯の中に存在する神経の部屋が感染すると、生体はその病原菌をやっつけるために免疫細胞たちを送り込みます。
それは血流に乗って運ばれますが、根管内部までは血管が入り込んでいないので、歯の中にいる菌をやっつけることはできません。
なので根っこの先の出入り口付近で病原菌と戦うわけですが、根管内部からどんどん送り込まれる病原菌にやがて免疫細胞たちは負けてしまいます。
そして膿が溜まっていく訳ですが、当然溜まるスペースがないため周りの骨を溶かして溜まっていきます。
その先は状況により異なりますが、歯がグラグラになるまで骨が溶けてしまう人もいれば、膿がパンパンに溜まり圧力が高くなることで、眠れなくなるくらい痛みが出ることもあります。
では一度溶けてしまった骨はそのままになってしまうのでしょうか?
実は適切な根管治療を行うことで、溶けてしまった骨は元に戻っていきます。
上の左側のレントゲンを見てください。
レントゲン写真は硬いものが白く写ってきますので、根の先の丸く黒い像が膿を表します。
右側のレントゲン写真は、根管治療後、約3ヶ月の写真です。
根の先の黒い像が消えているのが確認できると思います。
これは感染源がなくなったことにより、骨が戻ってきたことを表します。
もちろん骨吸収が激しい場合は、完全に元に戻らないこともありますので、たとえ症状がなくても神経を抜いた経験のある方は、定期的なレントゲン撮影をおすすめします✨